現場の状況によって変わる
グリストラップ清掃の
「最適解」
放置すると悪臭や害⾍発生の原因となるグリストラップ。すでに詰まりが発生している場合は、「業者への依頼」が必要です。ですが状況によっては「浄化装置の設置」や「清掃グッズの活用」といった清掃方法もあります。各方法のメリット‧デメリット、そして全国への出張や販売に対応&費用が明確な清掃企業・装置・グッズについてまとめました。現場に適したグリストラップ清掃方法を選びましょう。
放置すると悪臭や害⾍発生の原因となるグリストラップ。すでに詰まりが発生している場合は、「業者への依頼」が必要です。ですが状況によっては「浄化装置の設置」や「清掃グッズの活用」といった清掃方法もあります。各方法のメリット‧デメリット、そして全国への出張や販売に対応&費用が明確な清掃企業・装置・グッズについてまとめました。現場に適したグリストラップ清掃方法を選びましょう。
膨大な企業情報を収集・発信するポータルサイト「Baseconnect」で検索し、表示された首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)に拠点がある会社(グリストラップ清掃業者、浄化装置メーカーやグッズ取り扱いメーカー)82社のうち、①全国への派遣や設置、販売に関して記載があり、②費用が明確なグリストラップ清掃業者・浄化装置・グッズ取り扱いメーカーをご紹介します(調査時期:2021年12月時点)。
【選定条件】
・清掃業者…上記条件の内、グリストラップ清掃の専門業者かつ公式HPに実績・実例の掲載およびマニュフェスト制作に関する記載がある唯一の業者。
・浄化装置…上記条件の内、オゾンタイプの浄化装置を扱っており、公式HPに施工事例と設置費用が記載されている唯一の業者。
グリストラップの清掃方法である「清掃業者への依頼」「浄化装置の設置」「グッズを使った清掃」について、メリットやデメリット、各清掃方法が向いている現場をご紹介します。
浄化装置を設置するメリットは、24時間365日稼働することでグリストラップ内を常に清潔な状態でキープできる点。グリストラップ内の環境悪化を防ぎ、悪臭・害虫が発生するリスクを常時抑えることができます。メンテナンスはゴミを定期的に取り除くだけなので、自分たちで清掃する必要がありません。
楽に清潔な状態を保てる点が魅力の浄化装置ですが、本体価格は決して安くないので、資金がない現場が導入するのは難しいでしょう。ただし、清掃業者の費用が2万円、浄化装置の費用が60万円だと仮定して、3年~4年以上浄化装置を使用するのであれば業者に依頼するよりもお得です。バスケットのゴミ取りは、月に1回だけでも現場で対応するのが理想。多少、導入費用がかかっても、悪臭や害虫の発生を抑えて清潔な状態を保ちたい現場、グリストラップの清掃に人員を割けない現場に向いています。
グリストラップの浄化装置はまだまだ新しい清掃方法です。そのためどの程度の効果があるのかなどは未知数な部分が大きくなっています。効果を期待するためには、やはりすでに実績や事例などが豊富にある装置を選ぶ必要があるのです。
公式HPに明確な実績数や具体的な設置事例が掲載されているかは、見極めるポイントになるでしょう。
グリストラップの浄化装置には「バキューム」「バクテリア」「石鹸」「オゾン」と、大きく4つの種類に分けられます。それぞれメリット・デメリットがありますが、臭い・汚れ・詰まりのすべてに高い効果がある「オゾン」タイプのものがおすすめです。
初期投資は高い傾向にあるもののランニングコストは安く、環境にも優しいという特徴もあります。
清掃業者と同じく、グリストラップ浄化装置に関しても導入費用は様々。さらにランニングコストについても違いがあるため、どの程度のコストが必要になるのかはわかりにくい傾向にあります。
公式HPに過去の実績などと共に、導入費用とランニングコストか明確に書かれている装置ならば、安心して導入することができます。
汚泥・動植物性残さ・廃油などが溜まり、すでにグリストラップに何らかの問題が発生している場合は、まず清掃業者へ連絡をする必要があります。グリストラップの汚れは産業廃棄物としての処理が必要なため、同時に回収をしてくれる清掃業者へ頼むべきです。
また清掃業者に依頼するメリットとして、月1回~2か月に1回のペースで本格的な清掃をプロに任せられる点も挙げられます。もちろん現場で日々の清掃は必要ですが、月に1回、素人では落としきれない汚れをプロの手でリセットできるので、清掃作業がグッと楽になります。
しかし、厨房の使用頻度が多い現場だと月1回の清掃だけは直ぐに汚れてしまい、悪臭・害虫が再発するペースが早いという懸念があります。毎月清掃を依頼することで、ランニングコストがかかるデメリットも。清掃業者への依頼が向いているのは、単発で清掃を依頼したい現場や日常的にメンテナンスをしっかりと行える社員・アルバイトがいる現場です。もし業者に清掃を依頼するなら、月内の清掃頻度を増やせるか確認しましょう。
グリストラップの問題は、扱っている食材や料理、使用頻度、設置場所など、現場ごとにまったく異なります。特にすでに詰まりが発生している場合など、どのように対処すべきかの判断は専門知識が要求されます。
ただの清掃業者ではなく、グリストラップ清掃に特化している清掃業者を選ぶことで、的確な指示やアドバイスがもらえる可能性が高くなります。
グリストラップ清掃の際には清掃委託をした事業者が産業廃棄物管理票(マニフェスト)を委託業者(清掃業者)へ交付するよう法律で定められています。これに違反した場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科されるなど、重要なものです。
法律違反とならないためにも、マニフェスト制作に関してサポートを受けられる清掃業者を選ぶことが重要だと言えます。
グリストラップ清掃にかかる費用は清掃業者によって様々です。公式HPには安い費用から対応すると書かれていても、実際に清掃をした後になって想像以上の金額を請求されたという例もあります。
公式HPにグリストラップの容量ごとの明確な清掃費用が記載されているのかで、清掃業者としての信頼性が確認できます。
グリストラップの清掃にグッズを使用するメリットは、インターネット上にグッズの口コミや使用方法に関する情報が多いことから、自分たちの店舗にあったものを選びやすい点。清掃グッズは、清掃業者への依頼や浄化装置の設置と比べると安価なので気軽に導入できます。
デメリットとしては、グリストラップ清掃業者や浄化装置の設置と比べて、汚れを落としきれない可能性があること。また、掃除からゴミ処理まで自社で行う必要があり、手間や時間がかかるのが難点です。グリストラップに溜まったゴミは産業廃棄物として処理しなければならず、処理には資格が必要。資格を持っていない人がゴミを捨てるには、結局のところ、専門業者へ依頼しなければなりません。何よりもコスト削減を重視したい現場や、厨房を使用する頻度が少ない現場であれば、清掃グッズの使用を検討しても良いでしょう。
清掃業者への依頼、浄化装置の設置、グッズによる清掃には、それぞれ良し悪しがあります。大切なのは、現場の状況に合わせて適切な清掃方法を取り入れること。その点を踏まえて、グリストラップの清掃方法を検討しましょう。
グリストラップ清掃業者・浄化装置・グッズについて、さらに詳しくご紹介します。あなたの現場に合わせて、適切な清掃方法を取り入れましょう。
7年リース | 月額8,300円~(税込)(※参考価格) |
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本体価格 | 63.8万円(税込) |
メンテナンス | 30,800円(税込)(年1回) |
エイ・アイ・シーが自社製品として扱う「AICグリースオゾナイザー」は、オゾンの力を利用するグリストラップ浄化装置です。強い酸化力を持つオゾンガスを注入して、厨房から出る汚れの油脂分を分解。24時間365日自動で運転するため、“常に”害虫を誘引する悪臭を発生させず、害虫に卵を産み落とさせず、配管の詰まりを防ぎ、グリストラップを衛生的な状態に保ち続けます。
浄化装置には「バイオ式」「石鹸式」など様々なタイプがありますが、オゾンは人による薬剤投入の手間を必要としません。オゾンはお湯や油にも強いため、清掃効果を特に発揮する浄化方法といわれています。
浄化装置を設置した場合のグリストラップの清掃は、最低でも月に1度、バスケットに溜まった食品のくずを捨てるだけ。基本的には現場のスタッフでグリストラップの掃除をする必要がないため、肉体的にも精神的にも楽でしょう。
グリストラップ清掃の負担を減らすために、AICグリースオゾナイザーを導入。設置したことにより、なによりも悪臭が大幅に軽減したことを実感。そして、グリストラップ清掃に割いていた人手を本業に回すことができました。衛生的なメリットだけでなく、グリストラップ浄化装置の設置が業務効率のきっかけにもなった事例です。
臭気対策、環境保護、メンテナンス費の削減を目的に、AICグリースオゾナイザーを導入。強力なオゾンによる油脂の分解で臭いの漏れがなくなり、近所からの苦情がこなくなりました。ネズミや虫も発生しなくなったとのことです。メンテナンス費用を節約できるという点でも、導入先に喜ばれています。
清掃費用 | 33,000円(税込)/300L・スポット1回 |
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藤沢興業は、グリストラップ清掃のみを提供している数少ない会社のひとつ。グリストラップ清掃に特化することで、作業の無駄を省き、効率の良い清掃管理を提案しています。各店舗の清掃を実施した後は、作業履歴を管理してコスト面やコンプライアンス面の見直しの相談も可能。問題のおこらないグリストラップを実現してくれます。
また、チェーン店のグリストラップ清掃の実績が豊富です。コストを考慮したスケジュール管理を一貫して任せられるので、自店で行う衛生管理業務の負担を軽減できます。また、マニフェストの作成をサポートしているため、行政への提出方法が分からない企業も相談しやすいでしょう。清掃サービスはニーズに応じて柔軟に対応しており、開店前の早朝に実施することも可能です。
藤沢興業がファーストフード店のグリストラップを清掃した事例では、硬化した油脂も根こそぎ洗浄しています。ファーストフード店はグリストラップの使用頻度が高く、なおかつ油ものを多く使うため油脂が固まってしまい清掃が困難だと言われています。藤沢興業では専門知識を用いて、硬化した油脂汚れを落とすことが可能です。
藤沢興業が焼き肉店のグリストラップを清掃した事例では、油分により液面が真っ黒に変色している状態から油脂や汚泥を吸引。透き通った液面の状態に戻すことができています。
すくいん棒 | 7,480円~10,780円(税込) |
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グリスト清 | 1,034円(税込) |
旭化成ホームプロダクツは日用品関連の商品の開発・販売を行うメーカーであり、グリストラップの清掃を楽にするグッズや洗剤を計4製品展開。4製品をワンストップで使用することで、素人でもグリストラップ清掃を10分で完了できるとしています。
1ステップ目に使用する清掃グッズの「グリストネット」は、バスケットにかぶせるだけで網目に食品のくずが詰まりにくくなる優れもの。4サイズ展開なので、様々なグリストラップに対応可能です。2ステップ目の「グリースクリーン」は、槽内に浮かべるだけで簡単に油脂類だけを吸着。グリストラップの蓋としても使用できるため、臭いの軽減が図れます。
そのほか、溜まったヘドロを立ったまま回収できる「すくいん棒」、グリストラップから漂う悪臭に吹きかける消臭剤「グリスト清」も販売中。「グリスト清」は+αとして使用するグッズなので、現場のニーズに合わせて導入を検討してください。
グリストラップが深いので非常に重宝しています。今まで毎日きちんと掃除していても悪臭だけは残っていたのですが、このすくいん棒を使用して底に溜まっている残渣(ざんさ)を綺麗に取り除けるようになってから悪臭がおさまりました。うちの店では丁度よかったですが、ザルのサイズは確認して購入した方が良いかと思います。
第一層部分のカゴの掃除が、これがあるのとないとではだいぶ違います。1400円で10枚入りなので、一日140円のコストですが、140円払って日々の時間が短縮されるなら迷わずこれを選びます。
スリーケー排水管洗浄液 | 1,848円(税込) |
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アスクルは、オフィス用品や現場用品を販売しているメーカーです。グリストラップの清掃に使える便利な現場用品も多数販売しており、油脂吸着剤やグリストラップ清掃の補助剤、ヘドロキャッチャーなどを扱っています。
アスクルが取り扱うグリストラップ清掃グッズの一つである「スリーケー排水管洗浄液」は、天然バイオの力でヌメリや悪臭を抑える排水管洗浄液。清掃後に再び「ぬめり」が付着しづらくなる再付着防止機能を備えており、約1ヶ月間汚れにくい状態を保ちます。「油吸着材ECO2」は、グリストラップの浮上油回収に適した天然素材の油吸収材。油を瞬間的に強力吸着します。そのほか、時期によって商品の品揃えは異なるものの、 コストを抑えて一通り清掃グッズを揃えることが可能です。
地域によっては最短当日での配送に対応しており、法人であれば1,000円(税込)以上の購入で配送料が無料。個人クレジットカード決済も行っているので、注文ごとに支払い方法を設定できて利用しやすいでしょう。
市販のものだとほぼ一回きりで大胆に使えず、効果もイマイチ。こちらはたっぷり入っているので一回で効果が感じられなかった時やふと必要になった時などストックできるので助かっています。今までのものより安心して使え効果も高くコスパも文句なし。
週一でグリストラップを清掃していますが、ちゃんと油を吸収してくれて汚れを掬いやすいです。ネットを破ってばら撒くと、特に油吸収しやすいです。
グリストらくらく1L | 3,410円(税込) |
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害虫駆除応援専門ショップである「テクノ」では、一般家庭・飲食店・食品工場向けの害虫や害獣駆除用品を販売しています。11,000円以上商品を購入すると、全国を対象に送料無料で商品を配送します(※北海道、沖縄、離島、重量物は別途料金)。
グリストラップの洗浄剤も販売しており、いち商品である飲食店舗向け洗浄用品「グリストらくらく」は、攪拌(かくはん)することで油分を包み込み、グリストラップ内をサラサラの状態に乳化する洗浄剤。ごみやカスは多少残るものの、セルフ清掃を後押しする製品です。「グリストらくらく」はよくかき混ぜないと意味がないので、攪拌(かくはん)には「電動ドリル用泡立て棒」の購入もおすすめ。そのほかにも様々な清掃グッズを取り扱っているので、現場のグリストラップに合わせて適切な製品を探してみましょう。
初めての購入だったので半信半疑でしたが、購入して良かったです!油が分解?されて、浮いてきたゴミをすくって掃除完了しました。業者の方にしてもらうようには綺麗にできませんが、ここまで掃除できれば十分かなって思います。匂いもあまりしなかったです。今度は送料がかからないようにまとめて購入したいと思いました。
店内の匂いが気になり、お願いしました。とても汚い状態になっていたのですが、みるみる汚れがとけて、油が浮き、簡単に汚い汚れがおちました。最後にはピカピカになり、とても感謝しています。ありがとうございます!
グリストラップ洗浄剤HG-3 | 8,635円(税込) |
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アクアサービスは、1986年に創業し、海湾、湖沼、ダム、河川など、水環境を改善する事業を手掛けてきた企業です。グリストラップ清掃においては、槽内の廃油を石鹸水に変える洗浄剤「HG-3」を販売。石鹸水で槽内を洗浄し、排水管の詰まりや悪臭の改善に効果を発揮します。
HG-3を使用して排出される水は、脂肪酸として水棲生物に食べられ自然の循環の中で完全に消化。水環境の改善を事業として掲げる企業だからこそ、環境への配慮を怠りません。またHG-3は、希釈すれば厨房の床などの油分を落とす洗浄剤として扱えるほど、人の体にも優しいもの。グリストラップの清掃初心者でも安全に作業を行えるでしょう。
リピーターです。ヘドロ状の油分が、サラサラになり優れた商品だと思います。真っ黒に油が固まった壁面も、ブラシで擦ると、汚れが取れました。初めて購入したときは、内容量が不明だったので、届いた時容量にしては高い!と思いました。セット販売してほしいです。
グリストラップの構造とその役割を把握しておくと、適切な清掃方法や頻度が分かるようになります。構造を踏まえてしっかりと清掃を行い、悪臭・害虫の発生や詰まりを防ぎましょう。
グリストラップの第1槽にはバスケットがあり、大きな生ごみを回収する役割を担っています。
網目よりも小さな生ごみは沈殿しますが、大きなごみを第1槽で回収することにより、排水菅を詰まらせる要因を取り除きます。
害虫のエサとなる生ごみを廃棄するためにも、バスケットは毎日清掃しましょう。
第1槽で取り切れなかった生ごみは、第1槽と第2槽の間にある仕切り板でせき止められて沈殿し、汚泥として蓄積します。第2槽に溜まる汚泥は悪臭の原因となるため、月1回はすくい上げて廃棄するようにしてください。
また、仕切り板があることで水に結び付いている油脂分が分離し、第2槽の水面に浮上します。浮上した油脂は週1回のペースで取り除きましょう。
第3槽に流れ込んでくる水は、第2槽の働きもあって油脂分が少ない状態です。
さらに油脂分の少ない水だけを下水道へ流すために、第3槽では水中に管があるトラップ菅から排水。
トラップ菅により水中から水を引き込むことで、水面に浮いた油脂が排水菅を詰まらせずに済むのです。
グリストラップは定期的な清掃が必要です。一般的に、グリストラップには2槽式と3槽式のものがありますが、ここでは、3槽式の構造のグリストラップを取り上げて、それぞれの槽の清掃方法を見ていきましょう。
まず、「第1槽」には厨房排水に含まれる生ごみや残飯を溜めておくバスケットが設置されています。ここにネットをかぶせて小さなゴミをキャッチしておき、ネットをこまめに交換しましょう。
続いて「第2槽」では、油が水面に浮く性質を利用して排水に含まれる油脂分を取り除きます。そのためここは油脂が溜まる槽なので、特に清掃が大変な部分です。第2槽の清掃を行う場合には、吸着シートやキャッチャーなどを使用し、油脂や沈澱している汚泥を除去します。
そして「第3槽」は、油脂分や沈殿物が少なくなった水を下水などに排水する役割を持っています。ここには「トラップ管」と呼ばれる部品があり、ここから排水を下水に流します。
清掃タイミングとしては、「第1槽」の清掃は毎日行い、「第2槽」は2~3日に1回は行いましょう。「第3槽」のトラップ内部の清掃は、2~3か月に1回程度です。毎日こまめに生ごみを処理したり、清掃グッズを使うことで汚れが溜まりにくくなり、掃除する時間も短縮します。
グリストラップの清掃は負担が大きいことに加え、しっかりと清掃ができていない場合にはどんどん汚れが蓄積していきます。そのため、専門の清掃業者のサービスや浄化装置の利用も選択肢として検討しておくことがおすすめです。グリストラップの正しい清掃頻度を知っていますか?清掃頻度は、現場の状況によって異なります。
飲⾷店 | 平均月1回(油脂の使用が少ない場合は平均2カ月に1回) |
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保育園‧学校 | 平均2カ月に1回 |
病院‧介護施設 | 平均2カ月に1回 |
例えば、飲食店の平均は月1回、飲食店の中でも油脂の使用が少ないカフェやファミレスは、2カ月に1回のペースでの清掃が平均的。調理施設がある保育園・学校も平均2カ月に1回、病院・介護施設も平均2カ月に1回のペースで清掃を行うと良いでしょう。
厨房の使用頻度や使う油脂の量によって汚れが蓄積するスピードが異なることを考えると、業種ごとにグリストラップの清掃頻度の目安があるとはいえ、基本的には毎日の清掃が必要です。施設ごとに清掃を怠った場合のリスクも異なるので、必ず確認しましょう。
グリストラップの清掃を怠ることで、起こりうる問題について紹介していきます。清掃が滞ることで発生する、悪臭・害虫・詰まり・汚れのリスクを踏まえておくと、毎日の清掃も前向きに実施できるようになるはず。
グリストラップの清掃を怠ると、槽内に油脂・汚泥が蓄積します。油脂は酸化すると臭いがきつくなり、汚泥は油脂よりも臭いがきついので、蓄積するほどグリストラップから悪臭が漂う事態に発展します。
汚泥は月1回、油脂は週1回取り除いて、悪臭の原因を解消しましょう。汚泥は自分ですくい上げる場合、取り残しが発生するリスクがあるので注意が必要です。
グリストラップの清掃頻度が適切でない場合、害虫が湧くリスクが高まります。害虫の中には油脂・汚泥を好んで食べる虫もおり、放置すると増え続ける可能性が…。
チョウバエなどは水中でも産卵するので、油脂・汚泥を取り除かない限り、発生を防ぐことはできません。定期的な清掃を行い、害虫が棲みつく前に対処しましょう。
グリストラップの清掃頻度が正しくないと、排水管が詰まってスムーズに排水できない恐れがあります。
網カゴに溜まる生ごみ、汚泥や油脂の処理を行い、トラップ管に油脂や生ごみが流れないようにしましょう。特に油は放置すると固形化し、詰まる原因となります。定期的な清掃を実施して、キレイな状態をキープしてください。
グリストラップを清掃しないことで、槽内が汚れるのは言うまでもありません。網カゴから漏れた生ごみが蓄積し、ヘドロが発生します。
汚れたままの状態で放置すると、悪臭や害虫の発生はもちろん、大腸菌などのウイルスが増えて衛生的に大問題です。グリストラップの汚れは放置せずに、定期的な清掃で底からヘドロをすくい上げて取り除きましょう。
グリストラップ清掃は、ゴミの処理や清掃時の対応にも注意が必要です。特に、自分たちでグリストラップを清掃する際に起こしがちなミスを2つ解説します。
グリストラップのごみは産業廃棄物です。一般ごみで廃棄すると、1,000万円以下の罰金、もしくは5年以下の懲役が科せられます。汚泥・油脂を回収した後は、産業廃棄物として処理しましょう。産業廃棄物の処理を業者に委託する場合は、許可を得ている業者に委託してマニュフェストを交付し、処理後に写しを受け取る必要があります。
自分たちでグリストラップを清掃する際に意外とやってしまいがちなのが、清掃を行ったユニフォームのまま室内や厨房を歩き回ること。衛生環境を悪化させる要因となり、飲食店であれば食中毒発生のリスクが高まります。グリストラップ内は、コレラ菌・赤痢菌・ペスト菌・O157・レジオネラ菌・ノロウイルスなど細菌の巣窟です。清掃した格好のまま室内や厨房に戻らないことはもちろん、必ずユニフォームを着替え、こまめに洗濯してください。
平成30年6月13日に食品衛生法等の一部が改正され、原則として全ての食品等事業者はHACCP(ハサップ)に基づいて衛生管理を行うことが盛り込まれました。HACCP(ハサップ)とは、衛生管理手法のこと。導入せずに食品事故が起こった場合は、「3年以下の懲役または300万円以下(法人は1億円以下)の罰金」という、非常に重い罰則が課せられます。今後、グリストラップの清掃・管理はますます重要視されるでしょう。
HACCPにより、ますますグリストラップの清掃・管理が大切になるとはいえ、良好な衛生環境を保つのは大変なもの。自分で掃除するとやり残しが出たり、業者に依頼するにしても次回の清掃日までに結局汚れが蓄積したりと、様々な問題点が出てきます。グリストラップを清潔な状態に保ち、なおかつ清掃管理を楽に行うには浄化装置の設置が簡単。「毎日自動清掃」を叶える、AICグリースオゾナイザーについてご紹介します。
グリストラップ清掃の方法を検討した結果、手間よりもコスト削減を重視して「自分で掃除をしたい」と考えている方に向けて、清掃の仕方・適切な清掃頻度についてまとめました。詳しい清掃方法をチェックして、適切な衛生管理を行いましょう。
グリストラップの浄化装置を取り扱う会社をご紹介します。グリストラップの清掃作業の負担を軽減したい、今後重要視される衛生管理に今のうち力を入れておきたいと考えている方は、自店に合った浄化装置を見つけてみましょう。浄化装置の違いがよく分からない方は、各社の情報を依頼時の判断材料にしてみてください。
グリストラップの清掃道具・洗剤を取り扱う会社をご紹介します。グリストラップ清掃の手間がかかってもコスト削減を重視したい、清掃に割ける人員を確保しているから自分達で清掃をしたいと考えている方は、清掃道具・洗剤を検討してみてはいかがでしょうか。清掃道具・洗剤の選び方についても紹介しているので、購入する際の参考にしてください。